どうでしょうか?
ここまで読んできて、療育のドアを叩いてみようかな、誰かに相談してみようかな、って思えましたか?
もしそうなら、あなたは、一歩、前に進めたと思います。
一人で抱え込まず、誰かに助けを求めることが、幸せへの最初の一歩です。
怖がらないで、SOSを出しましょう。
療育先や支援センターに相談するときは、ちゃんとメモを作るとうまくいきます。
(基本的には先方から、いろいろ質問してくれると思いますが、答える時に大事なことを落としてしまわないために、メモを作ります。普段の生活を振り返ることもできますし。)
どんなことをメモすればいいか、お話しますね。
でもその前に、忘れないでほしいのですが、一番大事なのは、ママは、24時間子どもと一緒にいて、子どものことを一番見ている存在だってことです。
それを忘れず、自信を持って書いてくださいね。
では、メモを作りましょう。
①あなたのお子さんは、どんなことが好きですか?何に興味を示しますか?
何でもいいんです。
同年代の子が、アンパンマンや〇〇レンジャーにはまっていても、あなたのお子さんが水や、くるくる回るものや、光るものが好きなら、そのまま認めてあげてください。
そうして、
「うちの子は、お水が大好きです」
って言ってください。それが、この先の療育の大きなヒントになることだってあるんですから。
お水を流しっぱなしにして触り続けたり、みつづけたりすること、アリを見つけてつぶすこと、車を丁寧にたてに並べること、自転車のペダルを持ってタイヤをぐるぐる回すこと、特定のCM、好きな歌、ドアを開け閉めすること、番組が終わった後のテレビの砂嵐、チーズが好き、ラムネが好き、赤い色が好き、電車が好き、特定の車のロゴが好き、眠るときにいつも抱いているクマのぬいぐるみが好き、タオルを噛むのが好き、寝転がって自分の足を噛むのが好き、ブランコが好き。なんでもいいんです。
思いつけるだけ、全部書いてください。
②あなたのお子さんは、何が嫌いですか?何を怖がりますか?
これも①と同じです。ほかの子と比べないで、そのままのお子さんを見てください。
大きな音が嫌い、人がたくさんいるところが嫌い、同じ年の友達が嫌い、触られるのが嫌い、緑色が嫌い、冷えたご飯が嫌い、滑り台が怖い。
他にもたくさんありますね、思い出せるだけ全部書いてください。
③あなたが今、困っていることはなんですか?未来の不安ではなく、今のことです。今、ここが改善してくれたらうれしいのに、と思っていることはなんですか?
夜寝てくれない・かんしゃくの理由がわからない・偏食が激しくて食べられるものが少ない・言葉が出ない・集団行動ができない・すぐに泣く・私以外の人では面倒を見られないため、私の自由時間が無い
、いいですか?今困っている事です。
書けましたか。
ありがとうございました。
では、これから、相談に行ったり、療育につながったりする前に覚えておいてほしいことを二つ言います。
一つ目。
相談も、療育も、あなたとお子さんが幸せになるために行くのです。
だから、あなたが、違和感を感じたり、押し付けられていると感じたり、ここは違うとおもったら、その勘に従ってください。
相談先も、療育先も一つじゃありません。
一つ違うと思ったら、ほかを選べばいいのです。
あなたの勘を信じてください。
二つ目。
療育は、療育の場だけで効果が上がるものではありません。ママも一緒にお子さんの現状を把握し、楽しみながら伸びていくのだ、という気持ちを持ってください。
そのために、まずは、お子さんをよく見て、この子のやりたいことに徹底的に付き合ってあげてください。
何故それが必要か。
子どもは基本的に、自分の言う事を聞いてくれる人が好きです。
そして、好きな人だから、その人の言う事を聞いてみようと思います。
なので、あなたがまずすることは、この子が好きで、面白いと思っていて、やりたがることに徹底的に付き合う事です。
付き合って、眺めているうちに、かわいいところ、素敵なところもたくさん見えてきます。本当です。
そうして、親子の信頼関係を作ったうえで、療育に進めるように準備しましょう。
これが後からとっても効いてきます。
「愛」や「信頼」という抽象的な概念は、もしかすると一生わからないかもしれないけれど、「この人は自分の意思を尊重してくれる人だ」というのは、この子たちにもわかります。
そういう人にまず、なってください。お願いします。
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